Launch new design and interview of Furoshiki factory
We’re so excited to announce 4 of new design furoshiki and factory interview. Interviewed by LINK director Kyoko and photos taken by Martin Holtkamp in Tokyo. English interview article on Japanese art, design and culture blog Spoon & Tamago.
<風呂敷製作工場インタビュー>
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LINK風呂敷の制作をお願いしている製作メーカー「シフォーネ」の田中さんと共に、東京でディレクションを担当している京子と、写真家のMartin Holtkamp が、神奈川県藤沢市にある風呂敷染色工場を訪ねました。
場所は、神奈川県にある江ノ島に近い小田急線の長後駅。ほのかに塩の香りを感じながら、約50年以上もの間、2代に渡ってご家族で風呂敷の染色工場を営まれている福田さん。ご自身が幼稚園の時から風呂敷を染めていたという程、長いキャリアの持ち主です。
京子 (左) , シフォーネ田中さん (右)
Q:まず初めに、風呂敷の制作過程を教えて頂けますか。
A: 風呂敷制作には、何段階かの制作過程があり、それぞれの専門分野の工場に振り分けをして、シフォーネが調整役となって最終段階まで持っていきます。
まずは型を作る工場で、1つ1つ手作業で型染めの型を作りあげます。色を型毎に重ねていく方法なので、色数が多ければそれだけ型数も増えていきます。手作業ですが、職人さんの技術の高さから、数ミリの線などもほぼ希望のデザインデータ通りに作る事ができます。
染色工場社長福田さん
その後、型を染色工場に送りいよいよ染めの開始です。染色工場では希望のデザインデータをまず確認後、Pantoneをベースに蓄積された過去データをみながら色を調合していきます。色の発色は気候や湿度などにとても影響を受ける為、天気予報を見ながら全体の仕事のプランをたてる事は重要です。全て手作業の為、1日の染色可能枚数は1色の場合で3000枚、色数があると500枚が限度です。(私達が訪れたのはこの染色段階の工場です)
風呂敷の染色方法は、はまず長い布を専用の台にピンと張り付け、その上に柄がずれない様にぴったりと型を置き、色をつけていくやり方です。隣同士の距離感や、1ミリもずれる事が許されない技術は、まさに職人技•神業と言えます。フレームを布に乗せ、リズミカルなスピードで色をのせていく技法は、見ている方からするとあっという間の事ですが、力の入れ加減などまさに経験と体力勝負です。
1色をのせた後、2色目の染色に入る時もまさに職人技で差がでる繊細な部分です。 LINKの風呂敷では、隣同士の色合いには1mmのズレもありませんが、ずれているのが当たり前というレベルの風呂敷も存在するのも確かです。
染色が終わると、一旦乾かした布を水洗いし色を落ち着け、サイズを若干縮ませてから縫製工場へと運びます。2011年3月11日にあった津波で、LINKの風呂敷の縫製も行っていた福島県にある縫製工場が壊滅しました。福島•宮城エリアは元々日本製のアパレル商品の縫製工場が数多く存在していましたが、3月11日の津波で大打撃を受け、一部再開はしたものの今もなお厳しい状況におかれています。
LINKの風呂敷は3月11日以降、東京の縫製工場で縫製処理をされているとの事です。
Q : 型作りは今でも全て手作りですか?
A: 実はオート製版という方法もありますが、機械1台につき4~5千万程するので機械を持っている業者さんは日本では数少ないです。オート製版は一律にあがるというメリットはありますが昨今のオーダーはロット数が少ないのが現状であり、また型の張り具合と染めにも相性もあり、長年を通してお互いを熟知している職人さん同士の作業段階を経る事は機械よりも何倍も正確であり確実な方法でもあると言えます。
Q : 生地についてはどうですか?
A : 安いものだと縮んでしまうので、生地も慎重に選びます。今回LINKで制作した生地は、綿サテンという薄手の生地です。
Q : 工場の内部の様子を教えてください。
A : 染料を乾かす為のボイラーが沢山あるので、夏場は本当に暑いです。昭和30年代からずっとこの工場を使っているので多少老朽化はしていますが、実際使い慣れてる事や、この様な設備自体を作っているメーカーが少ないので暫くはずっとこの状況で使っていくつもりです。
幸い大震災の時は型の保存場所の揺れ方が、立てかけている方向と同じだった為にほとんど被害は受けませんでした。
Q : 今回のLINK風呂敷作成上で難しかった点はどこですか?
A : Hannah のデザインに関して言えば、デザイン上で2色を使いわざと若干のズレを楽しむ絵柄になっているので、2型の柄合わせには非常に気を使いました。Lucinda のデザインに関していえば、折り紙の柄を奇麗に出すために色を乗せる際の力の入れ加減が非常に重要になってくるところです。
風呂敷製作メーカー、シフォーネ田中さんへの質問。
Q: 現在の風呂敷の需要はどの様なものですか?
A : 一昔前のブランド人気が下火になった為に、今は和柄がむしろ人気です。
風呂敷よりもハンカチのオーダーが基本的に多く、捺染のハンカチというものは日本から始まったとも言われています。 それでも、年々工場は減ってきて制作場所は海外へ移行している現状があります。ただ、クオリティーに関しては長年養ってきた技術と、日本人が元々持ち合わせている技術力や繊細さで非常に差がつく事を感じています。 大量生産への疑いと、日本独特の職人技との違いを意識してか、最近はアジア/中東/ヨーロッパ/アメリカなどからの染色オーダーの問い合わせなども増えてきている現状もあります。
しかし、この先職人さんは減り、商品の需要も減ってきた場合を考えると今後どうなってしまうかなあ、という不安はいつでもあるのは正直な所です。このインタビューを世界の皆様に発信する事で、日本の技術力の高さや歴史を知って頂ければこんな嬉しい事はありません。
工場長の福田さん、これからの豊富をお聞かせください。
日々精進。
創意工夫。
この二言につきますね。
福田さん、福田さんご兄弟、シフォーネ田中さん
手作りの為、常に同じものは存在せず気候や湿度などに影響される技術ですが、長年積み上げてきた歴史と技術があるからこそ、その繊細さと丁寧さ、クオリティーの高さは本当に価値のあるものと感じ、なんとかしてこの先もこの素晴らしい技術を受け継いでいく事はできないものかと強く感じてしまします。 風呂敷1枚の製作のストーリーの中に、デザイン、型作り、染色、縫製と数多くの人々の手が加わり、まさに大きなコラボレーションをしながら仕上がっていくという過程に、改めてモノ作りの繊細さやLINK風呂敷への誇りを感じました。
English interview following at Spoon & Tamago.
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Photo : Martin Holtkamp
Model : Chihiro Watai
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