TOKYO風呂敷とD&DEPARTMENT
2015年に渋谷ヒカリエのd47 MUSEUMで開催された47 textilesでLinkの風呂敷を出展させて頂いて以来、継続して一部商品をd47 MUSEUMで販売させて頂いています。
今回、夜になるとほのかな光で一部が光るTOKYO風呂敷と、d design travel "東京号"を特別なギフトセットとしてLinkオンラインショップで販売する事になりました。(このTOKYO号は2012年に初版、2016年に一部情報を追加したものになります)
D&DEPARTMENT PROJECTの事をもっと知りたいという思いから、今回、東京で活躍する写真家 Alex Abian と渋谷ヒカリエ8Fのお店にお邪魔して、プレス担当の清水さんにお話を伺いました。
Q : まず初めに、D&DEPARTMENT PROJECTの始まりを教えてください。
A : D&DEPARTMENT PROJECTは、デザイナーのナガオカケンメイが始めたプロジェクトです。
早いサイクルで移り変わる世の中の消費のあり方に疑問を感じ、長く愛されている時間が証明したいいものがすでにあるのだから、それらを整理整頓して見せるのもデザイナーの役目なのではないか?という思いから、日常的なプロダクトをデザイン目線で選び出し、東京の奥沢にリサイクルショップとしてオープンしたのがはじまりです。それ以来、「ロングライフデザイン」をテーマに、物販に限らず、飲食・出版・観光、と、様々な活動を展開してきています。
Q : 私も初期の頃のD&DEPARTMENT STORE にはよく通っていました。周りに殆どお店もない、住宅街のような所にあるので本当に変わったお店だな、と思いながら。工業デザインの様な店舗の内装もその頃とても新鮮で。隠れ家のような感じでよく通っていた記憶があります。
A : 長い間ファンでいてくださるそういったお客様もとても多いです。駅から少し離れた場所にあるので、わざわざショップに目的を持って来てくださる方々にコーヒーでも、という気持ちから建物の1Fにカフェを併設しました。
Q : 東京カフェブームの先駆けにもなっていたように記憶しています。その頃人気だった商品はどんなものですか?
A : エントランスやカフェのインテリアでも使っている「カリモク60」の椅子は、その頃からのロングセラーです。「カリモク」の「Kチェア」をナガオカがリサイクルショップで見つけ、廃番目前だったものを、それならば自分のお店で売らせて欲しい、とアプローチしたことをきっかけに、真っ当なものづくりがあった60年代に作られた企業の原点となる製品をリ・ブランディングする「60VISION」というプロジェクトが生まれました。そのプロジェクトは会社の原点のひとつにもなっています。
Q :今回LinkのTokyo 風呂敷とセットで販売させて頂くことになった「d design travel 」について教えて頂けますか?
A : 『d design travel』は47都道府県それぞれの”その土地らしさ”をデザイン目線で案内する観光ガイドブックです。1県につき、1冊ずつ特集しています。最新号の「岩手号」で現在24冊目になるのですが、創刊号は今から9年前の2009年。北海道にD&DEPARTMENTパートナー店ができた事で、北海道には、北海道にしかない、その土地らしいデザインがある。デザインはもう都市部だけのものではなくて、47それぞれに素晴らしいデザインがあるということを実感していくきっかけになりました。お店を拠点にしながら、実際に観光してもらえるガイドブックを作ろうと、北海道号から創刊しました。
Q : 現在24冊目との事ですが、今後全国47都道府県分発行する予定はありますか?それはいつ頃になりますか?
A : 実はこの本は、その土地に編集者自身が2ヶ月程滞在して、編集に4ヶ月ほどかけているので、1年に3冊ほどしか発行できません。2019年の春からは、さらに『d design travel』で紹介した方々のその後を追っていく雑誌も新たにつくるので、『d design travel』自体ももう少しじっくりと制作していくペースになる予定です。全ての県分を発行するのにあと10年余りかかるのでは!?というプロジェクトではありますが、必ず47都道府県分つくっていくので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
Q: それぞれの都道府県をフォーカスしてガイドブックを作る上で、苦労する点などはありますか?
A : 毎号、地元の方々に参加していただき、取材候補先を挙げていく公開編集会議が制作のキックオフになります。そこで集まったものや、リサーチした情報を精査し、googleでマッピングして、編集部がまずは一旅人として、一つ一つ実際に体験していくことから始まります。その旅で、「ここぞ、その土地らしい!」と感動したものだけを掲載しています。
県民性の様なものもあり、キックオフの最初から盛り上がる県や、徐々に盛り上がっていく県など、その土地ごとにコミュニケーションの仕方に違いがある事は確かです。どの県を取材するにしても、まずは編集する側がその土地にお邪魔する、ありのままを受け入れながら、その土地に息づく価値を県内外に発信するべく、地元の方々に熱意を伝えていく事を大事にして制作しています。
Q : 最近は海外の観光客の方々も多いと思いますが、その方達も含めd designtravelやここd47に来た方々にお伝えしたいメッセージはありますか?
A:日本各地から、また世界中から人が集まってくるここ渋谷という立地で、ショップの他にミュージアムでは定期的に日本各地のものづくりを紹介する展覧会もしています。そして、各地の郷土料理やお酒などが楽しめる食堂もあります。まずはここ渋谷でその土地のものづくりや文化を体験していただき、少しでもその物が作られている土地に興味を持って頂き、実際にその土地に旅してみて頂ければ嬉しい限りです。その時にはd design travel を片手に... このガイドブックを持って訪ねて頂ければ地元の方々に喜んで頂ける事間違いなしです!
Q : こういった日本の工芸品やデザインプロダクトは海外でも注目されていると思うのですが、今後海外での展開なども考えていらっしゃいますか?
A : あくまでその土地の中のロングライフデザインを見つけていくという事がコンセプトなので、その土地のローカルな魅力を一緒に振り返って頂けるようなパートナー的な関係があれば是非という思いです。海外展開は現在、中国とソウルの2拠点になります。もし海外拠点でD&DEPARTMENT STOREを一緒に作り上げて頂くパートナーとしてご興味がある方は、是非お問い合わせください。
今回インタビューをさせて頂いた事で、日本の各土地ごとの特徴の多さや工芸品の多さ、そしてコンテンツ作りやロングライフデザインという思いにおけるD&DEPARTMENT がここまで作り上げてきたデザインや物に対する「忍耐力」の様なものが、Linkのモノ作りのコンセプトにもとても共通するものがあると強く感じました。
デザイン視点からみたディープな「TOKYO」を感じる東京案内本と、昼と夜、二つの顔を持つ東京をモチーフにデザインされた "光る風呂敷" のギフトセットTokyo Furoshiki & d travel magazine set を東京好きな方へのプレゼントにしてみてはいかがでしょうか。